他の先進国では日本に比べ、安全への対策が充実しており、日本もこれに追従する必要があります。

建設業での死亡者数を人口比（10万人当たり）により比較した場合、日本はドイツの2倍、イギリスの3倍にも上る死亡率となっており、日本における建設業災害の惨状を物語っています。

	手すり		幅木（つま先板）
※改正前	75cm以上に一段	交差筋交い代用可（通達）	無
※改正後	交差筋交い及びさん	高さ15cmから40cmの位置	堕落防止【高さ15cm以上】 物体の落下防止【高さ10cm以上】
フランス	二段手すり（上さん＋中さん）	1m＋0.45m	有【高さ15cm以上】
ドイツ	二段手すり（上さん＋中さん）	1m＋中間	有【高さ15cm以上】
イギリス	二段手すり（上さん＋中さん）	0.96m以上＋0.47m以下	有【高さ15cm以上】
アメリカ	二段手すり（上さん＋中さん）	90cm（36インチ以上）～ 107cm（42インチ以下）の間＋中間	有【高さ10cm以上】
カナダ	二段手すり（上さん＋中さん）	91cm（3フィート）～ 1.07m（3フィート6インチ）の間＋中間	有【高さ10.2cm（4インチ）以上】

※2009(平成21)年6月1日労働安全衛生規則改正

	点検の実施時期	足場点検の資格者による安全点検の有無			チェックリスト（点検表）の活用
※改正前	強風、大雨、大雪等の悪天候若しくは中震以上の地震又は足場の組立、一部解体若しくは変更後、足場における作業開始前	無	事業者（元請業者）	国交省2007(平成19)年度安全対策で専門知識を持った第三者による点検を推奨	定められていない。 国交省平成2004(平成16)年度からチェックリストの活用及び発注者への提出を推進
※改正後	足場での作業開始前の日々の点検を義務化/足場の組立後、悪天候後等に実施する点検結果の記録、保存を義務化した	安全衛生部長通達では、十分な知識と経験を有する者を事業者が指名	仮設安全監理者等	国交省2009(平成21)年度安全対策で専門知識を持った第三者による点検を推奨	安全衛生部長通達では、専用のチェックリストを使用し、職氏名を明記
フランス	足場の組立後及び足場の使用期限中は３ヶ月以内ごと、ならびに労働省労働基準局検査官が必要とした時	有	足場検査コース研修修了者	フランス足場組合の定めた足場検査コースの研修（3日間）等を受け、試験に合格した者	足場組立後、安全検査用チェックリストを用いる。点検後、報告書を作成し、建設現場に表示し、保管する。基準局の検査官等により提示が求められた際に、即提示できるような状態になっていなければならない。
ドイツ	足場の組立後の使用開始前及び抜き打ち	有	右の何れか又は両者	・公的州労働安全保護管理局　検査官 ・建設事業責任保険組合　検査官	検査官が現場を巡回チェックし、チェックリスト等を用いて検査。必要に応じて改善勧告を行う。安全作業環境が整わない限り、工事保険の対象とみなされず、作業を開始することができない。
イギリス	使用日より前の７日間の間。この間に検査を受けていない限り使用してはならない	有	高所作業規則　2005の12及び13による足場の検査者	検査完了後24時間以内に、高所作業規則付則7のとおり検査依頼者名、現場住所、検査日時、改善内容と対策、報告書作成者の氏名及び職務地位等を記載した報告書を検査依頼者へ提出しなければならない。	チェックリスト等を用いる。検査報告書を受理した雇用者は、作業期間中は現場で、現場終了後3ヶ月間は店社で保管する。
アメリカ	各作業シフトの開始前及び足場の構造上の保全に何らかの問題が発生した後	有	足場安全事故防止研修終了者（足場の安全使用・事故防止に関して十分な知識及び実習経験を有する者）	The National Safety Education Center、National Safety Council、Scaffold Industry Association等での足場安全研修を受けた者。	有(Jobsite Safety Inspection Checklist)有資格者が建設現場で使用する全ての足場・全部品をOSHA3150 2002(Revised)　A Guide to Scaffold　Use in the Construction Industryに基づいて安全点検を実施しなければならない。
カナダ	建設開始前の機器設置後Job Safaty Analysis(JSA)Worksheetに基づいて	有	足場安全研修修了者	カナダ労働安全衛生センター（Canadian Centre for Occupational Health and Safety）認定の足場安全研修修了者	建設使用ACCESS足場(Access Scaffolding for Construction Purposes)規定CAN/CSA　 S269.2M87にそって、チェックリストによる点検実施。

※2009(平成21)年6月1日労働安全衛生規則改正